第43回内分泌代謝学サマーセミナー
会長 笹岡 利安
(富山大学 学術研究部(薬学・和漢系)病態制御薬理学)
第43回内分泌代謝学サマーセミナーを2025年7月10日(木)~ 12日(土)、3000m級の立山連峰のふもと、富山県側の山麓に佇む「ホテル森の風立山」で開催いたします。
内分泌代謝学サマーセミナーの真髄は、国内の内分泌代謝領域の研究者が一堂に会し、研究内容に関して活発に討議しながら寝食を共にすることで親交を深めることです。このため、今回も現地参加型で行う予定にしています。富山県での開催は今回が初めてです。新たな発見を求めて一人でも多くの方にお越し頂けますことを期待しております。
ホテル森の風立山へは、東京からは新幹線利用で約2時間10分の富山駅から富山地方鉄道に乗り換えて約60分の立山駅が最寄りとなります。ホテル森の風立山の“とろり”としたアルカリ泉の露天風呂からは立山連峰を一望でき、富山のきときと(新鮮)な食材とともに心と体をリフレッシュできます。キッズランドも備えていますので家族での参加にも適しています。会期の前後では、日本の山岳観光を代表する立山黒部アルペンルートを是非体験いただき、実際の立山の頂や黒部ダムの魅力を満喫していただければ忘れ得ぬ想い出となることでしょう。
今回の内分泌代謝学サマーセミナーのメインテーマは、富山県のシンボルである立山連峰の麓での開催にちなんで、「自然にひたって内分泌学の頂に挑む」といたしました。昨今、世界における日本のプレゼンスの低下、安定したアカデミアポストの不足、医師の臨床研修および専門医制度による研究体験の機会の減少などの理由により、基礎研究を目指す若手の医師や医療人の減少が危惧されています。今回のサマーセミナーでは、こうした現状においても基礎研究の面白さや重要性を理解して研究に取り組んでおられる若手の先生方が、参加いただいている研究者やシニアの医師と交流を深めて研究を発展させ、また長く研究活動を続けられる機会となれば幸いです。特に、学生や研究に興味を持っておられる方々にも多く参加いただき、研究者との親睦を通じて内分泌代謝研究の面白さや“わくわく感”を肌で感じていただくことで、実際に研究を始める契機になればと考えています。神々が宿る立山の大自然に抱かれた新たな発想で、自身の研究への思いや取り組みを見つめ直し、さらに発展させる機会としていただければ幸いです。
今回も、ポスター発表を行う日本内分泌学会会員の学生および大学院生の皆さんにトラベルグラントを支給させて頂く予定です。多くの演題の応募をお待ちしています。内分泌代謝学サマーセミナーで活性化された若い研究者が大きく世界に羽ばたいて、今後のアカデミアや産業界を牽引して活躍いただけることを心より願っております。